光が丘公園バードサンクチュアリ

ショウブ池の変遷(追記あり)

解説2

小魚や植物などの観察スポットとして親しまれている、バードサンクチュアリ観察舎の『ショウブ池』。
材料のブルーシートのすり切れが目立ってきたので、2016年12月に池を全面的に作り直しました。
これを機にショウブ池の変遷についてまとめました。


◆初代ショウブ池(1999年3月〜2001年3月)

ショウブ池19990410パネル

観察舎の壁面で開催された企画展『春の水辺』の際に、サンクチュアリ池を間近に観察する実物展示として製作されました。
企画展は3月に始まったので、植栽種として、芽吹きが早いショウブが選ばれました。
サンクチュアリ池で捕れたヒキガエルのオタマジャクシを入れていました。

ショウブ池19990410観察
展示壁のすぐ前にありました。


企画展が3ヶ月で終わった後も、好評だったショウブ池はそのまま残されました。
企画展のために作った池なので名前はありませんでしたが、サンクチュアリ池と区別して呼ばないとまぎらわしい場面が増えてきたので、スタッフ間での通称としてショウブ池と呼ぶようになりました。

ショウブ池撤去前
取り壊しの日。今とほぼ同じ位置にありました。


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ひみつ六「カワセミ営巣用の崖」

カワセミは水辺で魚を食べていることから「清流の鳥」というイメージがあります。でも、実際には、小魚を採ることができればドブ臭のある川や濁った池にも生息しており、気をつけて探していれば都会でもそれほど珍しい鳥ではありません。
でも、カワセミの巣となれば事情は違います。カワセミは土の崖に横穴を掘って巣を作るので、護岸された川や池では繁殖できないのです。バードサンクチュアリをはじめ、都会の小さな水辺でもカワセミの姿を見ることができますが、繁殖期になるといなくなってしまうのは、土の崖がほとんど見られなくなってしまったからです。

ならば巣穴を掘れる崖を人工的に整備しよう、と考えた人がいて、各地でカワセミ崖の整備例があります。水辺に木枠を組んで中の土を突き固め、前面だけ土を露出させるタイプが主流のようです。この方法は成功例がありますが、整備にかなりの労力がかかるのと、造り方によっては何もないところに忽然と崖が飛び出しているので、風景として馴染まないのが難点です。

1990年代、都内の数カ所からカワセミ営巣情報が入ったことがありました。彼らはなんと、公園の資材置き場や畑に掘った大きなゴミ穴の壁面に巣穴を掘っていたのです。これにヒントを得て、サンクチュアリでは急斜面を切り崩して崖を整備しています。
崖


切り崩しによる崖は、従来の工法に比べてとても簡単です(当社比でコストは1/10(推定!))。よほどセンスのない造り方をしない限り、風景を壊しません。埋めればすぐに原状回復もできます。

カワセミが繁殖するには、まずは雌雄の成鳥が定着しなくては始まりません。ときどき崖の手入れをしながら気長に待ちたいと思います。崖は観察舎から見て左の草地にあります。写真とは向きが違うのではっきりとは見えません。

なお、崖の整備はあくまでも「営巣場所の提供」です。繁殖には、食物となる小魚の生息などさまざまな条件の管理が必要です。

○ここだけの耳より情報○
サンクチュアリには1984年の造成時にカワセミ営巣用の崖が整備されています。これは、よくある「箱形」の崖ではなく、斜面が崖になって池に続く、自然な造りになっています。そして、かなり大きい。
残念ながら期待された成果は得られませんでしたが、この、今や知る人も少なくなったお話は、またの機会にこっそり紹介させていただきます。
ちなみに数年前までは、あっと驚く「カワセミ用巣箱」も設置されていたのです!(続く?)。
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ひみつ五「観察舎のドブ」

観察舎の軒下にあるドブは、溝、U字溝、排水溝などとさまざま
に呼ばれていますが、サンクチュアリでは「側溝」と呼んでいま
す(普通ですね)。
側溝の目的は雨水の排水。水はサンクチュアリ池に直接注ぎ込ん
でいます。みなさん! 飲み残しのお茶は側溝に流さず、どうぞ
ケヤキの植えマスに捨ててくださいませ。

さて、側溝に堆積した落ち葉や泥を掻き出すのもスタッフの仕事
です。この作業は年に一度だけ行います。
観察舎は舗装されているので、泥はそんなに溜まりません。側溝
に入るのはほとんどが落ち葉で、それもほぼ観察舎にあるケヤキ
の葉です。側溝は、ケヤキの葉が落ち尽くすのを待ってから一度
掃除すればよいのです。

この作業をするのは、決まって1月か2月の雨か雪の日です。落
ち葉がびしょびしょに濡れるとかさが減るので、搬出する回数が
少なく済みます。また濡れていると、上側の落ち葉層と、下側の
泥層の両方をスコップひとつですくえるので作業がとても簡単で
す(乾いた落ち葉はスコップですくえません)。
雨の日は来場するお客さんもまばらなので作業しやすいという利
点もあり、雨の日が最適なのです。

唯一の欠点は、側溝の位置がちょうど軒下なので、大粒の雨だれ
で体がびしょびしょになってしまうことでしょうか・・・。そん
なわけで、冬のサンクチュアリでは、顔から湯気が立ち上ってい
る「水も滴る」スタッフの姿を、年に一回だけ見ることができる
のです。
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ひみつ四「植栽を待つ苗たち」

1984年のバードサンクチュアリ造成時、敷地内にたくさんの木が
植えられました。今ではすっかり森になったように見えますが、
植えたのは高木になる木だけ。つる植物・低木・野草は植えてい
ないので、サンクチュアリの森には植物の種類がとても少ないの
です。

低木等がまったくないわけではなく、つる植物では例えばエビヅ
ル(1カ所)、ツルウメモドキ(1カ所)、スイカズラ(ほぼ1
カ所)、カラスウリ(ほぼ1カ所)、キカラスウリ(1カ所)、
アケビ(ほぼ2カ所)などがわずかに生育しています。しかし、
これらの植物はこの10年間、分布がほとんど拡がっていません。

サンクチュアリは盛土した造成地なので、土の中に野草や低木の
種子がほとんど混ざっていません。このような場所では、最初に
植えられた植物が優位になり、新たな植物が入り込む余地は少な
いのです。
サンクチュアリの周囲も同様なので、種子が自然に運ばれてくる
可能性も低いです。当初の造成計画から漏れていた低木等を人為
的に導入しないと、豊かな森を作ることはできません。

そういうわけで、低木等の苗を育てて林縁に移しています。つる
植物や低木は、林の縁にやぶを作り、実を付けたり昆虫にすみか
を提供したりして、小鳥類が集まるポイントになります。苗が少
ないので、観察の面で効果の高い観察舎付近に絞って林縁を整備
しています。
今のところは、サンクチュアリ内で採取したものを他の地点に分
散させていますが、将来的には近隣の樹林などから新たな種類の
種子を導入し、武蔵野の植物相に近づけていく計画です。

種まき

苗はサンクチュアリ内の苗圃(びょうぼ)で大切に育てています。
苗圃の最大の敵は、日照りや害虫ではなく、タヌキです。苗のポ
ットが何度も噛み散らかされてしまったので、今ではしっかり柵
で囲ってあります。
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ひみつ参「運営ミーティング」

バードサンクチュアリは週末だけの開園ですが、スタッフには、
毎日開館しているよそのビジターセンターのお手本になる施設を
つくりたい、という気概があります。週に2日しかない中で、あ
れもやりたい、これもしなきゃ、という項目がたくさんあるので、
開園中はとても密度の濃い時間を過ごしています。

開園日が週2日なので、毎回いる「専属スタッフ」は雇用できま
せん。日によってスタッフが替わるという条件のもとで、質の高
い施設づくりをするためには、スタッフ間の意識の共有や、マメ
な連絡が欠かせないのです。そのため、電話やメールだけでなく、
定期的に会合を開いています。

それぞれが仕事や学校を終えた平日の夜、新宿のカフェで定例の
ミーティングが始まります。議題は、展示や解説、対応事例の検
討、今後の計画など、サンクチュアリ運営のあらゆることを扱い
ます。帰る頃には心地よい疲労を感じながらも、気分は充実。ス
タッフは、今週も2日しかない開園日に気持ちを注ぎ込みます。
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