光が丘公園バードサンクチュアリ

迷惑な初記録

2009年4月18日(土)

開園準備をしていると、池側から「コロロロ、コロロロ」ときれいな声が聞こえてきました。声の主はシュレーゲルアオガエル。名前は日本らしくありませんが在来種です。1985年にサンクチュアリが開設されて以来、初めて記録されました。

残念ながら、これは悪いニュースです。郊外の田んぼや里やまに棲むこのカエルが、練馬区周辺から姿を消してからずいぶん経ちました。周辺に生息地がないのに、このカエルが自力で光が丘公園まで移動して来るのは不可能です。人為的な導入であることは間違いありません。

サンクチュアリでは、過去に練馬周辺で行われた生物調査の文献を精査して、地域の自然史に基づいて生物相を復元しようと、計画を策定している最中です。シュレーゲルアオガエルは武蔵野の生きものですが、光が丘公園の自然環境の量と質を考えた場合、再導入しても存続できるのかどうか、慎重に検討しなければなりません。仮に「導入可能」と判断されても、導入前には、オタマジャクシを捕食する外来生物の駆除や産卵環境の整備などが必要です。すくなくとも今は、定着できる環境が整っていないのです。

さらにもうひとつ。仮に再導入するときが来るとしても、シュレーゲルアオガエルの「中身」を吟味しなければなりません。同じ種であっても、地域によって遺伝的な差異がありますから、産地が違うものを混ぜたり、よそのものを導入するわけにはいきません。
導入するとしたら、その個体群は、武蔵野の範囲内で、できるだけ光が丘公園に近い生息地から選ぶことになります。産地がわかっていれば、導入元の個体群が危機に瀕したときに、こちらから逆に導入して個体群を救うことができるかもしれません。産地不詳の「単なるシュレーゲルアオガエル」では、保全の対象にならないのです。

今回のように、「生きものを勝手に放していく」行為は、サンクチュアリの自然環境を豊かにしようとしているわたしたちの活動や、協力者の思いに反することです。生息適地でない場所に連れてこられたカエルもかわいそうなので、おやめいただきたいと思います。 (さとう)
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